ゴツゴツのアハン!スプーナリズムって何?
皆さんは「スプーナリズム」という言葉を聞いたことがありますか?
日本語では語音転換という意味の言葉です。
こちらの画像を御覧ください。
「アツアツのごはん」というフレーズを、単語の頭の音同士を入れ替えて「ゴツゴツのアハン」というフレーズにしたものです。
このように、ある文章の音や音節を入れ替えて、滑稽な響きの文章を作る言葉遊びをスプーナリズムといいます。
有名なものだと、「あつはなつい(夏は暑い)」「ジャイケルマクソン(マイケル・ジャクソン)」などがあります。
Twitterでは、元の文を示唆する画像に、上の画像のような文字、通称・5000兆円フォントで語音転換したフレーズを表示した画像が人気ですね。
他にも、
- チャラチャラのパーハン(パラパラのチャーハン)
- きゃりきゃりのバリアウーマン(バリバリのキャリアウーマン)
- がんぐりドム(どんぐりガム)
など、少し検索しただけで面白いフレーズがたくさん見つかります。
ちょっとだけお勉強
「山茶花」
この漢字、読めますか?ヒントは花の名前です。
正解は、さざんか。
秋から冬にかけて咲くきれいな花ですが、なにか違和感を感じませんか?
どの字がどの読みに対応しているのか、いまいちわかりませんよね?
花は”か”だとして山が”さ”?ということは茶が”ざん”??
実は「さざんか」という読みは、後から置き換わってしまったものなんです。
元々さざんかは、「さんさか」と呼ばれていました。
つまり、「山(さん)茶(さ)花(か)」だったわけです。
これがだんだん訛って「さんさか」→「さんざか」→「さざんか」となったそうです。
元々の読みからより言いやすいように語中の音が入れ替わることを「音位転換(メタセシス)」といいます。
スプーナリズムは語音転換ですので、これらは区別される場合が多いです。
音位転換が起こっている例として以下のようなものが挙げられます。
- 新しい : あらたし→あたらしい
平安時代初期ごろまでは「あらたし」だったのが変化して現在では「あたらしい」になった。
改む(あらたむ)などと同語源とされる。 - 舌鼓 : したつづみ→したづつみ
したづつみとするのは元来誤用であるが、現在では広く使われるようになっている。
デジタル大辞泉では、誤りとはせずにしたつづみの別の言い方として表記されている。
となりのトトロの作中で、メイちゃんがとうもろこしを「とうもころし」と言っているシーンがありますが、あれも音位転換の一例です。以上ちょっとだけお勉強でした。
スプーナリズムやってみた
スプーナリズムで面白いフレーズができないか、私も少し考えてみました。
手元にあるものや想像しやすいもの、画像を作りたい場合は写真を用意しやすいものから探すと良いかもしれません。
- ペラのカットボトル(空のペットボトル)
- スカイデピーカー(でかいスピーカー)
- ウォップルアッチ(アップルウォッチ)
などが思いつきました。
フレーズを思いついたら、画像を作るのは簡単です。
まず元の文章を表す画像を作ります。
今回は空のペットボトルの写真を撮りました。
あとは任意のペイントツールや編集ソフトを使って文字を追加します。
どうせなら5000兆円フォントを使いたかったので、5000兆円ジェネレーター super (yurafuca.com)を使わせていただきました。
背景色を透明にしておくと、保存して写真に重ねるだけで完成です。
完成したものがこちら。
勢いは劣りますが、Windows標準のペイントツールでも似たようなことはできます。
10年前を思い出す仕上がりになってしまいましたが、シュールさはこちらも負けていません。
何も用意しなくても遊べる言葉遊び。
他にもなぞかけやアナグラムなど沢山の言葉遊びがありますが、ちょっとした空き時間でくすっと笑えるスプーナリズムに挑戦してみてはいかがでしょうか?