不朽の夢――死者蘇生の先駆者、ジェームズ・ベッドフォード博士の遺体が冷凍保存された半世紀の真実
最近、科学と技術がとても進歩しています。将来、人々は死者を甦らせる技術を手にすることができるのでしょうか?
アメリカのカリフォルニア大学の元心理学教授であるジェームズ・ハイラム・ベッドフォード博士は、その答えを見つけるために驚くべき決断をしました。
1967年、ベッドフォード博士は初めて自分の遺体を冷凍保存することを決めたのです。
彼の願いは、”死者をよみがえらせる技術”が発明された時に再び目を覚ますこと。
腎臓がんに冒されて、余命を悟っていたベッドフォード博士は、
10万ドル(約1500万円)を自身の冷凍保存の費用にあてるように遺言に記しました。
現代の物価から考えると10万ドルというのは低予算な気がしますが、現代の物価で補正すると50万ドルほどです。
当時、遺体をまるごと冷凍保存するという発想は突拍子もないものであり、多くの人々が戸惑いましたが、ベッドフォード博士の意志を尊重するため、看護師たちは彼のために氷を集め、冷凍保存を行うための組織である延命協会に連絡しました。
遺体の冷凍保存は、サスペンス映画のような展開で進められました。
専門家チームがやってきて、遺体の準備が始まります。
冷凍保存には、医療用の凍結防止液を注入したり、組織を保護する手順が含まれます。
しかし、ベッドフォード博士の遺体は長い間保存されていた中で問題が生じました。
1991年の検査で、一部の部分が変色し、損傷していることが分かったのです。
科学者たちの間では当時の冷凍保存技術の有効性について疑問視されています。
遺体のガラス化プロセスがうまくいかない場合、組織の損傷が修復不能となり、蘇生は困難とされています。
それにもかかわらず、世界には冷凍保存の施設が存在し、多くの人々が自分の遺体を将来の技術に託しています。
アルコー延命財団をはじめとする施設では、数百の遺体と脳が保存されており、更に数千人が将来の冷凍保存に備えています。
人類が死者を蘇らせる技術を手にする日が来るのか、それとも科学の限界なのか。
未来への希望をつなぐこの挑戦は、私たちに深い洞察を与えるでしょう。